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【読書日記6/23’】われら闇より天を見る@クリス・ウィタカー [読書日記]

クリス・ウィタカー著「われら闇より天を見る」を読了。
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自ら「無法者」と名乗る主人公の13歳の少女ダッチェスが魅力的。
13歳でありながら、世間に対する信頼を捨て、周囲の人々や自らの人生に対して怒りを心の内に抱えています。ただ、たった一人の弟のためであればすべてを投げ打つ覚悟も持ち合わせています。
そこに、過去の出来事を捨てきれない町の警察署長ウォークと彼の友人で長らく刑務所に収監されていたヴィンセントが出所し、物語が淡々と進みはじめます。
正直、50ページくらい読んだところで”あきら~め本”になるところでしたが、ヴィンセントが出所した後に起こる事件にダッチェスと弟、ウォークが巻き込まれていく辺りからページをめくる指が止まらなくなりましたよ。
ミステリーかというとちょっと違う気がしますが、13歳の少女の成長期といった味わいの方が濃かったかな。
けど、最後はただただ感動。涙腺が崩壊しそうになりましたよ。
ちなみに本作は、イギリスミステリの頂点「ゴールド・タガー受賞」、日本においても「このミステリーがすごい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「ミステリが読みたい」で第一位をとり海外ミステリー三冠に輝いています。
お勧めの一冊ですね。

解説:アメリカ、カリフォルニア州。海沿いの町ケープ・ヘイヴン。30年前にひとりの少女命を落とした事件は、いまなお町に暗い影を落としている。 自称無法者の少女ダッチェスは、30年前の事件から立ち直れずにいる母親と、まだ幼い弟とともに世の理不尽に抗いながら懸命に日々を送っていた。 町の警察署長ウォークは、かつての事件で親友のヴィンセントが逮捕されるに至った証言をいまだに悔いており、過去に囚われたまま生きていた。 彼らの町に刑期を終えたヴィンセントが帰ってくる。 彼の帰還はかりそめの平穏を乱し、ダッチェスとウォークを巻き込んでいく。そして、新たな悲劇が・・・苛烈な運命に翻弄されながらも、 彼女たちがたどり着いたあまりにも哀しい真相とは――? 人生の闇の中に差す一条の光を描いた英国推理作家協会賞最優秀長篇賞受賞作。
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