【読書日記3/23’】爆弾@呉勝浩 [読書日記]
呉勝浩著「爆弾」を読了。

「このミステリーがすごい!2023年版」「ミステリが読みたい!2023年版」の国内編で1位に輝き2冠を達成した作品。
ノンストップで読ませるところは、流石ミステリ2冠に輝いた作品だと思いました。
また、格差社会とか犯罪被害者、加害者の家族なども作中に取り入れいて、ミステリーにサスペンスそして社会派小説としても成り立っている感があります。
作中で繰り広げられる”言葉遊び””なぞなぞ”などの会話劇も秀逸。思わずクスっとさせられましたね。
ただ、ラストが若干モヤモヤしました。もっと、ピシリと終わって欲しかったわ。
呉勝浩氏の作品は初めて読みましたが、他にも良い作品があるようなので、ちょっと追っかけてみようかな。
内容:東京、炎上。正義は、守れるのか。 些細な傷害事件で、とぼけた見た目の中年男が野方署に連行された。 たかが酔っ払いと見くびる警察だが、男は取調べの最中「十時に秋葉原で爆発がある」と予言する。 直後、秋葉原の廃ビルが爆発。まさか、この男“本物”か。さらに男はあっけらかんと告げる。 「ここから三度、次は一時間後に爆発します」。 警察は爆発を止めることができるのか。 爆弾魔の悪意に戦慄する、ノンストップ・ミステリー。

「このミステリーがすごい!2023年版」「ミステリが読みたい!2023年版」の国内編で1位に輝き2冠を達成した作品。
ノンストップで読ませるところは、流石ミステリ2冠に輝いた作品だと思いました。
また、格差社会とか犯罪被害者、加害者の家族なども作中に取り入れいて、ミステリーにサスペンスそして社会派小説としても成り立っている感があります。
作中で繰り広げられる”言葉遊び””なぞなぞ”などの会話劇も秀逸。思わずクスっとさせられましたね。
ただ、ラストが若干モヤモヤしました。もっと、ピシリと終わって欲しかったわ。
呉勝浩氏の作品は初めて読みましたが、他にも良い作品があるようなので、ちょっと追っかけてみようかな。
内容:東京、炎上。正義は、守れるのか。 些細な傷害事件で、とぼけた見た目の中年男が野方署に連行された。 たかが酔っ払いと見くびる警察だが、男は取調べの最中「十時に秋葉原で爆発がある」と予言する。 直後、秋葉原の廃ビルが爆発。まさか、この男“本物”か。さらに男はあっけらかんと告げる。 「ここから三度、次は一時間後に爆発します」。 警察は爆発を止めることができるのか。 爆弾魔の悪意に戦慄する、ノンストップ・ミステリー。
【読書日記2/23’】黒石 新宿鮫Ⅻ@大沢在昌 [読書日記]
大沢在昌著「黒石 新宿鮫Ⅻ」を読了。

大好きな「新宿鮫」シリーズ最新刊が出たので購入して読みました。
ただ、ちょっとガッカリしたというのが正直な感想。
なんかご都合主義な内容だったんですよね。
新宿鮫こと刑事・鮫島のヒリヒリしたところが薄かっよーな。
エンディング的にまだまだ続くようなので、次作に期待します!
内容:地下ネットワーク「金石ジンシ」の幹部、高川が警視庁公安に保護を求めてきた。高川は、正体不明の幹部〝徐福〟が、謎の殺人者〝黒石ヘイシ〟を使って反発するものを排除して、「金石」の支配を企んでいると怯えていた。「金石」と闘ってきた新宿署生活安全課の刑事・鮫島は、公安の矢崎の依頼で高川と会う。その数日後に千葉県で反〝徐福〟の幹部と思しき、頭を潰された遺体が発見された。過去十年間の〝黒石〟の手口と類似した未解決殺人事件を検討した鮫島らは、知られざる大量殺人の可能性に戦慄した――。鮫島は、どこまでも不気味な殺人者〝黒石〟の正体を暴き、逮捕できるか!? シリーズ最高の緊迫感で一気読みの最新第十二作!

大好きな「新宿鮫」シリーズ最新刊が出たので購入して読みました。
ただ、ちょっとガッカリしたというのが正直な感想。
なんかご都合主義な内容だったんですよね。
新宿鮫こと刑事・鮫島のヒリヒリしたところが薄かっよーな。
エンディング的にまだまだ続くようなので、次作に期待します!
内容:地下ネットワーク「金石ジンシ」の幹部、高川が警視庁公安に保護を求めてきた。高川は、正体不明の幹部〝徐福〟が、謎の殺人者〝黒石ヘイシ〟を使って反発するものを排除して、「金石」の支配を企んでいると怯えていた。「金石」と闘ってきた新宿署生活安全課の刑事・鮫島は、公安の矢崎の依頼で高川と会う。その数日後に千葉県で反〝徐福〟の幹部と思しき、頭を潰された遺体が発見された。過去十年間の〝黒石〟の手口と類似した未解決殺人事件を検討した鮫島らは、知られざる大量殺人の可能性に戦慄した――。鮫島は、どこまでも不気味な殺人者〝黒石〟の正体を暴き、逮捕できるか!? シリーズ最高の緊迫感で一気読みの最新第十二作!
【読書日記1/23’】名探偵と海の悪魔@スチュアート・タートン [読書日記]
スチュアート・タートン著「名探偵と海の悪魔」を読了。

「このミステリーがすごい!2023年版」海外編で4位や英国の主要ミステリー部門でも高評価だった本作。
海洋冒険+怪奇小説+不可能犯罪というミステリー巨編の触れ込みでしたが、正直イマイチ、いや、イマサンでした('Д')
理由としては登場人物たちに思い入れが沸かないし、そのためシンクロもしないのよ。もう少し探偵役とワトソン役に個性と熱量を入れて欲しかったな。
個人的にはちょっと残念な2023年の一冊目だったな。
内容:時は17世紀、 大海原を進む帆船で起こる怪事件。 囚われの名探偵に代わり、屈強な助手と貴婦人が謎を追う。 すべては悪魔の呪いか、あるいは? この船は呪われている、乗客は破滅を迎えるだろう。 バタヴィアからオランダへ向かう帆船ザーンダム号に乗船しようとしていた名探偵サミー・ピップスと助手のアレントら乗客たちに、血染めの包帯で顔を覆った男がそう宣言した。その直後、男は炎に包まれて死を遂げる。名探偵として名を轟かすピップスだが、いまの彼は罪人として護送される途上にあり、この怪事件を前にしてもなすすべがなかった。 オランダへと帰国するバタヴィア総督一家らを乗せ、ザーンダム号が出航せんとしたとき、新たな怪事が発生した――風を受けてひるがえった帆に、悪魔〈トム翁〉の印が黒々と浮かび上がったのだ! やがて死んだはずの包帯男が船内に跳梁し、存在しないはずの船の灯りが夜の海に出現、厳重に保管されていた極秘の積荷が忽然と消失する。すべては悪魔の仕業なのだろうか? わきおこる謎また謎。だが名探偵は牢にいる。元兵士の助手アレントは、頭脳明晰な総督夫人サラとともに捜査を開始するも、鍵のかかった密室で殺人が! 驚愕のSFミステリ『イヴリン嬢は七回殺される』の鬼才の第二作。海洋冒険譚と怪奇小説を組み込んだ全方位型エンタテインメント本格ミステリ!

「このミステリーがすごい!2023年版」海外編で4位や英国の主要ミステリー部門でも高評価だった本作。
海洋冒険+怪奇小説+不可能犯罪というミステリー巨編の触れ込みでしたが、正直イマイチ、いや、イマサンでした('Д')
理由としては登場人物たちに思い入れが沸かないし、そのためシンクロもしないのよ。もう少し探偵役とワトソン役に個性と熱量を入れて欲しかったな。
個人的にはちょっと残念な2023年の一冊目だったな。
内容:時は17世紀、 大海原を進む帆船で起こる怪事件。 囚われの名探偵に代わり、屈強な助手と貴婦人が謎を追う。 すべては悪魔の呪いか、あるいは? この船は呪われている、乗客は破滅を迎えるだろう。 バタヴィアからオランダへ向かう帆船ザーンダム号に乗船しようとしていた名探偵サミー・ピップスと助手のアレントら乗客たちに、血染めの包帯で顔を覆った男がそう宣言した。その直後、男は炎に包まれて死を遂げる。名探偵として名を轟かすピップスだが、いまの彼は罪人として護送される途上にあり、この怪事件を前にしてもなすすべがなかった。 オランダへと帰国するバタヴィア総督一家らを乗せ、ザーンダム号が出航せんとしたとき、新たな怪事が発生した――風を受けてひるがえった帆に、悪魔〈トム翁〉の印が黒々と浮かび上がったのだ! やがて死んだはずの包帯男が船内に跳梁し、存在しないはずの船の灯りが夜の海に出現、厳重に保管されていた極秘の積荷が忽然と消失する。すべては悪魔の仕業なのだろうか? わきおこる謎また謎。だが名探偵は牢にいる。元兵士の助手アレントは、頭脳明晰な総督夫人サラとともに捜査を開始するも、鍵のかかった密室で殺人が! 驚愕のSFミステリ『イヴリン嬢は七回殺される』の鬼才の第二作。海洋冒険譚と怪奇小説を組み込んだ全方位型エンタテインメント本格ミステリ!
【読書日記32/22’】捜査線上の夕映え@有栖川有栖 [読書日記]
有栖川有栖著「捜査線上の夕映え」を読了。

「このミステリーがすごい!2023年版」で国内編第3位。
有栖川有栖の著書は久しぶりだし、彼が生み出した名探偵・火村英生シリーズは初めて触れるので、図書館で借りて読みました(笑)
舞台はコロナ禍真っただ中の大阪。主人公の臨床犯罪学者・火村英生とその相棒でミステリー作家のアリスは、大阪府警から場末のマンションの一室で、男が鈍器で殴り殺された事件のアドバイザーを依頼されます。
一見ありふれた殺人事件の裏には、ある秘密が散りばめられていて・・・
「捜査線上の夕映え」という2時間ドラマちっくなベタなタイトル。そして、ちょっと首をかしげたくなるような内容。
個人的には、この作品が昨年度の様々なミステリランキングで上位に食い込んだのか謎でした。主人公の火村英生とアリスそしてサブキャラ達にはキャラ立ちしていて良いのにね。
ただ、ここまでシリーズ化されドラマ化もされている作品。過去の作品も一応読んでみたほうがよいのかな。
内容:「臨床犯罪学者 火村英生シリーズ」誕生から30年! 最新長編は、圧倒的にエモーショナルな本格ミステリ。 一見ありふれた殺人事件のはずだった。火村の登場で、この物語は「ファンタジー」となる。 大阪の場末のマンションの一室で、男が鈍器で殴り殺された。金銭の貸し借りや異性関係のトラブルで、容疑者が浮上するも・・・ 「俺が名探偵の役目を果たせるかどうか、今回は怪しい」 火村を追い詰めた、不気味なジョーカーの存在とは。 コロナ禍を生きる火村と推理作家アリスが、ある場所で直面した夕景は、佳き日の終わりか、明日への希望か。

「このミステリーがすごい!2023年版」で国内編第3位。
有栖川有栖の著書は久しぶりだし、彼が生み出した名探偵・火村英生シリーズは初めて触れるので、図書館で借りて読みました(笑)
舞台はコロナ禍真っただ中の大阪。主人公の臨床犯罪学者・火村英生とその相棒でミステリー作家のアリスは、大阪府警から場末のマンションの一室で、男が鈍器で殴り殺された事件のアドバイザーを依頼されます。
一見ありふれた殺人事件の裏には、ある秘密が散りばめられていて・・・
「捜査線上の夕映え」という2時間ドラマちっくなベタなタイトル。そして、ちょっと首をかしげたくなるような内容。
個人的には、この作品が昨年度の様々なミステリランキングで上位に食い込んだのか謎でした。主人公の火村英生とアリスそしてサブキャラ達にはキャラ立ちしていて良いのにね。
ただ、ここまでシリーズ化されドラマ化もされている作品。過去の作品も一応読んでみたほうがよいのかな。
内容:「臨床犯罪学者 火村英生シリーズ」誕生から30年! 最新長編は、圧倒的にエモーショナルな本格ミステリ。 一見ありふれた殺人事件のはずだった。火村の登場で、この物語は「ファンタジー」となる。 大阪の場末のマンションの一室で、男が鈍器で殴り殺された。金銭の貸し借りや異性関係のトラブルで、容疑者が浮上するも・・・ 「俺が名探偵の役目を果たせるかどうか、今回は怪しい」 火村を追い詰めた、不気味なジョーカーの存在とは。 コロナ禍を生きる火村と推理作家アリスが、ある場所で直面した夕景は、佳き日の終わりか、明日への希望か。
【読書日記31/22’】真夜中の密室@ジェフリー・ディーヴァー [読書日記]
ジェフリー・ディーヴァー著「真夜中の密室」を読了。

著者ジェフリー・ディーヴァーが生み出した現代最高の名探偵リンカーン・ライム。その3年ぶりの新作です。
今回のライムの前に立ちふさがる敵は、いかなる鍵も錠前もあけてしまうロックスミスと名乗る解錠師。
ロックスミスが犯行を重ねるの真の目的は何か?
そして、同時に巻き込まれるニューヨーク市警の内紛。前後に不安要素を抱えながらも、徹底した科学捜査と愛妻アメリア・サックスほか仲間たちとロックスミス逮捕に挑んでいきます。
ここ最近のリンカーン・ライム・シリーズは、不完全燃焼が続いていましたが、本作ではジェフリー・ディーヴァーの真骨頂・どんでん返しも復活した感じで面白かったです。
ジェフリー・ディーヴァーも今年で御年73歳。まだまだ、頑張って欲しい作家です。
内容:わが名は〈解錠師〉。いかなる鍵も錠前も僕の敵ではない。 〈ロックスミス〉と名乗る男が夜のニューヨークに跳梁していた。厳重に鍵のかかった部屋に侵入し、住人に危害を加えることもなく、破った新聞紙に書いたメッセージを残して去った。犯人はいかにして短時間で錠を破ったのか。犯行は無差別なのか、それとも被害者を結ぶ線があるのか。この奇怪な犯人の真の目的は何か。ニューヨーク市警からの依頼で、四肢麻痺の科学捜査の天才リンカーン・ライムが捜査に乗り出した。だがライムは警察内部の政争にまきこまれ、別件の裁判での失態を機に契約を解除されてしまった。このまま捜査を続行すれば逮捕される危険すら・・・ 密室を破る怪人〈ロックスミス〉VS現代の名探偵リンカーン・ライム。警察も敵に回り、犯罪組織に命を狙われながらも、名探偵はあくまで知力で戦いに挑む。そしていくつもの事件と謎と犯罪がより合わさったとき、多重ドンデン返しが華麗に発動する!

著者ジェフリー・ディーヴァーが生み出した現代最高の名探偵リンカーン・ライム。その3年ぶりの新作です。
今回のライムの前に立ちふさがる敵は、いかなる鍵も錠前もあけてしまうロックスミスと名乗る解錠師。
ロックスミスが犯行を重ねるの真の目的は何か?
そして、同時に巻き込まれるニューヨーク市警の内紛。前後に不安要素を抱えながらも、徹底した科学捜査と愛妻アメリア・サックスほか仲間たちとロックスミス逮捕に挑んでいきます。
ここ最近のリンカーン・ライム・シリーズは、不完全燃焼が続いていましたが、本作ではジェフリー・ディーヴァーの真骨頂・どんでん返しも復活した感じで面白かったです。
ジェフリー・ディーヴァーも今年で御年73歳。まだまだ、頑張って欲しい作家です。
内容:わが名は〈解錠師〉。いかなる鍵も錠前も僕の敵ではない。 〈ロックスミス〉と名乗る男が夜のニューヨークに跳梁していた。厳重に鍵のかかった部屋に侵入し、住人に危害を加えることもなく、破った新聞紙に書いたメッセージを残して去った。犯人はいかにして短時間で錠を破ったのか。犯行は無差別なのか、それとも被害者を結ぶ線があるのか。この奇怪な犯人の真の目的は何か。ニューヨーク市警からの依頼で、四肢麻痺の科学捜査の天才リンカーン・ライムが捜査に乗り出した。だがライムは警察内部の政争にまきこまれ、別件の裁判での失態を機に契約を解除されてしまった。このまま捜査を続行すれば逮捕される危険すら・・・ 密室を破る怪人〈ロックスミス〉VS現代の名探偵リンカーン・ライム。警察も敵に回り、犯罪組織に命を狙われながらも、名探偵はあくまで知力で戦いに挑む。そしていくつもの事件と謎と犯罪がより合わさったとき、多重ドンデン返しが華麗に発動する!
【読書日記30/22’】汝、星のごとく@凪良ゆう [読書日記]
凪良ゆう著「汝、星のごとく」を読了。

2020年に本屋大賞を受賞した「流浪の月」を読んだ時、面白くて切なくてページをめくるのがもったいなかったですが、同時にこの作者は次が勝負かな、とも思いました。
けど、本作を読んでその不安も払拭。
正直「流浪の月」には及ばないまでも、本作でのテーマである「家族」「愛」「都会」「地方」そしてそれに伴う「情景」「慟哭」などがひしひしと伝わってきました。
良い作品ってHCくんの場合、読んでいて映像が浮かんでくるんですよね。この作品もまさにそれでした。
主人公の暁海は誰がいいだろう、櫂は誰がいいだろう、なんて妄想しながら読みました。
「流浪の月」も映像が浮かび、広瀬すずと松坂桃李で映像化されましたが、ちょっと自分のイメージとは違ってましたね。
なので、この作品を映像化するなら慎重にお願いしたいな。
内容:その愛は、あまりにも切ない。 正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きていく。 本屋大賞受賞作『流浪の月』著者の、心の奥深くに響く最高傑作。 わたしは愛する男のために人生を誤りたい。 風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。 ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。 生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。 まともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。

2020年に本屋大賞を受賞した「流浪の月」を読んだ時、面白くて切なくてページをめくるのがもったいなかったですが、同時にこの作者は次が勝負かな、とも思いました。
けど、本作を読んでその不安も払拭。
正直「流浪の月」には及ばないまでも、本作でのテーマである「家族」「愛」「都会」「地方」そしてそれに伴う「情景」「慟哭」などがひしひしと伝わってきました。
良い作品ってHCくんの場合、読んでいて映像が浮かんでくるんですよね。この作品もまさにそれでした。
主人公の暁海は誰がいいだろう、櫂は誰がいいだろう、なんて妄想しながら読みました。
「流浪の月」も映像が浮かび、広瀬すずと松坂桃李で映像化されましたが、ちょっと自分のイメージとは違ってましたね。
なので、この作品を映像化するなら慎重にお願いしたいな。
内容:その愛は、あまりにも切ない。 正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きていく。 本屋大賞受賞作『流浪の月』著者の、心の奥深くに響く最高傑作。 わたしは愛する男のために人生を誤りたい。 風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。 ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。 生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。 まともな人間なんてものは幻想だ。俺たちは自らを生きるしかない。
【読書日記29/22’】ゲームの王国@小川哲 [読書日記]
小川哲著「ゲームの王国」を読了。
第39回日本SF大賞&第31回山本周五郎賞受賞作品。
SFというカテゴリーですが、上巻を読み進めていた感想はカンボジアの内戦とポルポトの非道により迫害をうけた少年・ムイタックと少女・ソリア、そして彼らを取り巻く大人たちの物語に思えました。
下巻になってSF感が出てきたけど、それでもHCくんが読んできたSFとは違った感覚でしたね。
上巻と下巻の切り替えがドラスティックで、かつ、著者の文章力は圧巻なので読ませますね。
ただ、何故舞台をカンボジアにしたのかは謎が残りました。
著者の小川哲は東京大学大学院卒。最新刊「地図と拳」は先日直木賞候補作に選ばれています。今度、読んでみようと思っています。

上巻内容:サロト・サル。後にポル・ポトと呼ばれたクメール・ルージュ首魁の隠し子とされるソリヤ。貧村ロベーブレソンに生を享けた、天賦の智性を持つ神童のムイタック。皮肉な運命と偶然に導かれたふたりは、軍靴と砲声に震える1974年のカンボジア、バタンバンで出会った。秘密警察、恐怖政治、テロ、強制労働、虐殺。百万人以上の生命を奪ったすべての不条理は、少女と少年を見つめながら進行する・・・あたかもゲームのように。

下巻内容:「君を殺す」。復讐の誓いと訣別から、半世紀。政治家となったソリヤは、理想とする〈ゲームの王国〉を実現すべく最高権力を目指す。一方のムイタックは渇望を遂げるため、脳波を用いたゲーム《チャンドゥク》の開発を進めていた。過去の物語に呪縛されながら、光ある未来を乞い願って彷徨うソリヤとムイタックが、ゲームの終わりに手にしたものとは・・・。
第39回日本SF大賞&第31回山本周五郎賞受賞作品。
SFというカテゴリーですが、上巻を読み進めていた感想はカンボジアの内戦とポルポトの非道により迫害をうけた少年・ムイタックと少女・ソリア、そして彼らを取り巻く大人たちの物語に思えました。
下巻になってSF感が出てきたけど、それでもHCくんが読んできたSFとは違った感覚でしたね。
上巻と下巻の切り替えがドラスティックで、かつ、著者の文章力は圧巻なので読ませますね。
ただ、何故舞台をカンボジアにしたのかは謎が残りました。
著者の小川哲は東京大学大学院卒。最新刊「地図と拳」は先日直木賞候補作に選ばれています。今度、読んでみようと思っています。

上巻内容:サロト・サル。後にポル・ポトと呼ばれたクメール・ルージュ首魁の隠し子とされるソリヤ。貧村ロベーブレソンに生を享けた、天賦の智性を持つ神童のムイタック。皮肉な運命と偶然に導かれたふたりは、軍靴と砲声に震える1974年のカンボジア、バタンバンで出会った。秘密警察、恐怖政治、テロ、強制労働、虐殺。百万人以上の生命を奪ったすべての不条理は、少女と少年を見つめながら進行する・・・あたかもゲームのように。

下巻内容:「君を殺す」。復讐の誓いと訣別から、半世紀。政治家となったソリヤは、理想とする〈ゲームの王国〉を実現すべく最高権力を目指す。一方のムイタックは渇望を遂げるため、脳波を用いたゲーム《チャンドゥク》の開発を進めていた。過去の物語に呪縛されながら、光ある未来を乞い願って彷徨うソリヤとムイタックが、ゲームの終わりに手にしたものとは・・・。
【読書日記28/22’】うえから京都@篠友子 [読書日記]
篠友子著「うえから京都」を読了。

日本の拠点である首都を東京から関西へ、ひいては京都へ移すミッションを託された坂本龍子という高知県の県庁職員が主人公の作品。
主人公の名前からもわかるとおり、明治維新の影の立役者・坂本龍馬を現代に置き換えて、江戸から続く首都を京都に遷都すべく奮闘する姿を描いています。
坂本のみならず、登場する人物は桂、中岡、沖田など幕末の漢たちの名前が多々登場するところも楽しい。
読んでいて、この話って将来的に起こりえるとも感じましたね。しかも、タイトルもなかなか笑える。発想が豊かな作者にも思えたので、次回作が楽しみです。
内容:京都駅に降り立った女性の名は坂本龍子。彼女は高知県の県庁職員でありながら、政治の世界で数々の難問を解決し「交渉人」と呼ばれ、その名を馳せていた。 ある日、龍子の元に京都府知事の桂大吾から、低迷した日本経済を救うため、経済の拠点や首都を東京から関西へ移したいという依頼が入った。 この法外とも思える構想を実施すべく、京都・大阪・兵庫の三府県が手を組み、西の統一をはかるため、龍子に力を貸してほしいのだという。 しかしその裏には京都が国の政治を司る拠点として返り咲き、そして遷都をまでをも実現するという思惑があった――。

日本の拠点である首都を東京から関西へ、ひいては京都へ移すミッションを託された坂本龍子という高知県の県庁職員が主人公の作品。
主人公の名前からもわかるとおり、明治維新の影の立役者・坂本龍馬を現代に置き換えて、江戸から続く首都を京都に遷都すべく奮闘する姿を描いています。
坂本のみならず、登場する人物は桂、中岡、沖田など幕末の漢たちの名前が多々登場するところも楽しい。
読んでいて、この話って将来的に起こりえるとも感じましたね。しかも、タイトルもなかなか笑える。発想が豊かな作者にも思えたので、次回作が楽しみです。
内容:京都駅に降り立った女性の名は坂本龍子。彼女は高知県の県庁職員でありながら、政治の世界で数々の難問を解決し「交渉人」と呼ばれ、その名を馳せていた。 ある日、龍子の元に京都府知事の桂大吾から、低迷した日本経済を救うため、経済の拠点や首都を東京から関西へ移したいという依頼が入った。 この法外とも思える構想を実施すべく、京都・大阪・兵庫の三府県が手を組み、西の統一をはかるため、龍子に力を貸してほしいのだという。 しかしその裏には京都が国の政治を司る拠点として返り咲き、そして遷都をまでをも実現するという思惑があった――。
【読書日記27/22’】自由研究には向かない殺人@ホリー・ジャクソン [読書日記]
ホリー・ジャクソン著「自由研究には向かない殺人」を読了。

なにか凄く新しい感覚のミステリー作家が誕生したなってのが第一の感想。
本作は、女子高生ピップが自分の住む町で数年前に起きた未解決事件を、「自由研究」の名目で関係者へのインタビューやSNSを駆使しつつ捜査し真相に迫っていく、といった物語。
今の時代のツールを駆使して情報を収集する様は21世紀のミステリーって感じすね。
ちなみに、この作品が面白いと広がったのもtwitterはじめSNSだったらしい。まーウラでは出版社が絡んでいるんだろうけどね(笑)
ただ、ミステリーとしては正統派だし読後感も良かったですわ。
情報によると女子高生ピップを主人公として三部作刊行されるよう。既に、シリーズ第二作も出ているようなので、また図書館で借りようっと。
内容:イギリスの小さな町に住むピップは、大学受験の勉強と並行して“自由研究で得られる資格(EPQ)"に取り組んでいた。題材は5年前の少女失踪事件。交際相手の少年が遺体で発見され、警察は彼が少女を殺害して自殺したと発表した。少年と親交があったピップは彼の無実を証明するため、自由研究を隠れ蓑に真相を探る。調査と推理で次々に判明する新事実、二転三転する展開、そして驚きの結末。ひたむきな主人公の姿が胸を打つ、イギリスで大ベストセラーとなった謎解き青春ミステリ!

なにか凄く新しい感覚のミステリー作家が誕生したなってのが第一の感想。
本作は、女子高生ピップが自分の住む町で数年前に起きた未解決事件を、「自由研究」の名目で関係者へのインタビューやSNSを駆使しつつ捜査し真相に迫っていく、といった物語。
今の時代のツールを駆使して情報を収集する様は21世紀のミステリーって感じすね。
ちなみに、この作品が面白いと広がったのもtwitterはじめSNSだったらしい。まーウラでは出版社が絡んでいるんだろうけどね(笑)
ただ、ミステリーとしては正統派だし読後感も良かったですわ。
情報によると女子高生ピップを主人公として三部作刊行されるよう。既に、シリーズ第二作も出ているようなので、また図書館で借りようっと。
内容:イギリスの小さな町に住むピップは、大学受験の勉強と並行して“自由研究で得られる資格(EPQ)"に取り組んでいた。題材は5年前の少女失踪事件。交際相手の少年が遺体で発見され、警察は彼が少女を殺害して自殺したと発表した。少年と親交があったピップは彼の無実を証明するため、自由研究を隠れ蓑に真相を探る。調査と推理で次々に判明する新事実、二転三転する展開、そして驚きの結末。ひたむきな主人公の姿が胸を打つ、イギリスで大ベストセラーとなった謎解き青春ミステリ!
【読書日記26/22’】マネーの魔術師 ハッカー黒木の告白@榎本憲男 [読書日記]
榎本憲男著「マネーの魔術師 ハッカー黒木の告白」を読了。

著者・榎本憲男氏が手掛ける「巡査長 真行寺弘道」シリーズのスピンオフ作品。このシリーズのスピンオフ作品といえば「吉良大介」シリーズがありますが、新たに「ハッカー黒木」も加わりました。
この黒木という男は真行寺弘道にも吉良大介にも多大な影響を持つ謎の男で、ある意味各シリーズの影の主役と言っても過言ではありません。
本作では黒木が和歌山県の熊野古道にふらりと現れて、日本の伝統工芸を守る柴田澪と出会い、絶滅寸前の伝統工芸をいかに存続させるかについて議論を交わし、ある実験に彼女を巻き込みます。
そして、黒木と柴田澪を巡って様々な出来事が起こる、といった話。
他のシリーズとは違い、物語は淡々と進みます。まるで、熊野古道に流れている時間のように・・・
個人的な感想で恐縮ですが、著者・榎本憲男が主人公に語らせる話(音楽・映画・芸術など)が私の感性に合いまくっていて、今一番好きな作家でありますわ。
内容:新自由主義への反逆者か? 廃れゆく伝統の守護神か?謎の天才ハッカー vs.膨張する金融資本主義。 イランの核施設破壊プロジェクト「オリンピックゲーム」にもCIAの情報職として参加した経験を持つ天才ハッカーの黒木が、和歌山の世界遺産・熊野古道の中辺路に現れた。伝統工芸を研究する大学院生・柴田澪と出会った黒木は、彼女をある試みに誘う。彼はそれを「実験だよ、金融資本主義に抗うための」と嘯くのだが――。黒木は、金融市場が拡大し続ける世界を相手に、何を目論んでいるのか? 知的興奮が爆走するエンターテインメント巨篇。

著者・榎本憲男氏が手掛ける「巡査長 真行寺弘道」シリーズのスピンオフ作品。このシリーズのスピンオフ作品といえば「吉良大介」シリーズがありますが、新たに「ハッカー黒木」も加わりました。
この黒木という男は真行寺弘道にも吉良大介にも多大な影響を持つ謎の男で、ある意味各シリーズの影の主役と言っても過言ではありません。
本作では黒木が和歌山県の熊野古道にふらりと現れて、日本の伝統工芸を守る柴田澪と出会い、絶滅寸前の伝統工芸をいかに存続させるかについて議論を交わし、ある実験に彼女を巻き込みます。
そして、黒木と柴田澪を巡って様々な出来事が起こる、といった話。
他のシリーズとは違い、物語は淡々と進みます。まるで、熊野古道に流れている時間のように・・・
個人的な感想で恐縮ですが、著者・榎本憲男が主人公に語らせる話(音楽・映画・芸術など)が私の感性に合いまくっていて、今一番好きな作家でありますわ。
内容:新自由主義への反逆者か? 廃れゆく伝統の守護神か?謎の天才ハッカー vs.膨張する金融資本主義。 イランの核施設破壊プロジェクト「オリンピックゲーム」にもCIAの情報職として参加した経験を持つ天才ハッカーの黒木が、和歌山の世界遺産・熊野古道の中辺路に現れた。伝統工芸を研究する大学院生・柴田澪と出会った黒木は、彼女をある試みに誘う。彼はそれを「実験だよ、金融資本主義に抗うための」と嘯くのだが――。黒木は、金融市場が拡大し続ける世界を相手に、何を目論んでいるのか? 知的興奮が爆走するエンターテインメント巨篇。