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【読書日記4/20’】欺す衆生@月村了衛 [読書日記]

月村了衛著「欺す衆生」を読了。
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物語のベースとなっているのは、昭和最大の詐欺事件「横田商事事件」。横田商事の会長が自宅マンションに押し入った二人組に白昼堂々、しかも報道陣のいる前で殺害されたことは今でも記憶にあります。
本作は、豊田商事の残党を主人公にし詐欺に取り憑かれた男たち、欺す者と欺される者の運命と末路を描いています。
前作「東京輪舞」では昭和から平成にかけての重大事件をモチーフに描いてましたが、作者の月村了衛は、実際の事件をフィクションに転換する術が上手いですね。
また、単純に転換するだけではなく作者の思いも十二分にこめられていて、どの作品も読みがいがあります。
次の作品も楽しみですがHCくん的には大好きな「機龍警察」シリーズの新刊が待ち遠しいところです。


内容:戦後最大かつ現代の詐欺のルーツとされる横田商事事件。その目撃者であり末端の営業マンであった隠岐は、かつての同僚の因幡と再開。導かれるがまま〈ビジネス〉を再興する。 取り返そうよ、ここらで僕達の人生を。僕と君は一蓮托生なのだから。 幾多の修羅を経て、詐欺の魅力に取り憑かれていく隠岐。ついには〈国家〉を欺く一大事業へと発展していくのだが……。 欺す者と欺される者、謀略の坩堝の果てに待ち受ける運命とは。 人間の業と欲を徹底的に炙り出す、規格外の犯罪巨編。
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