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【読書日記4/20’】欺す衆生@月村了衛 [読書日記]

月村了衛著「欺す衆生」を読了。
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物語のベースとなっているのは、昭和最大の詐欺事件「横田商事事件」。横田商事の会長が自宅マンションに押し入った二人組に白昼堂々、しかも報道陣のいる前で殺害されたことは今でも記憶にあります。
本作は、豊田商事の残党を主人公にし詐欺に取り憑かれた男たち、欺す者と欺される者の運命と末路を描いています。
前作「東京輪舞」では昭和から平成にかけての重大事件をモチーフに描いてましたが、作者の月村了衛は、実際の事件をフィクションに転換する術が上手いですね。
また、単純に転換するだけではなく作者の思いも十二分にこめられていて、どの作品も読みがいがあります。
次の作品も楽しみですがHCくん的には大好きな「機龍警察」シリーズの新刊が待ち遠しいところです。


内容:戦後最大かつ現代の詐欺のルーツとされる横田商事事件。その目撃者であり末端の営業マンであった隠岐は、かつての同僚の因幡と再開。導かれるがまま〈ビジネス〉を再興する。 取り返そうよ、ここらで僕達の人生を。僕と君は一蓮托生なのだから。 幾多の修羅を経て、詐欺の魅力に取り憑かれていく隠岐。ついには〈国家〉を欺く一大事業へと発展していくのだが……。 欺す者と欺される者、謀略の坩堝の果てに待ち受ける運命とは。 人間の業と欲を徹底的に炙り出す、規格外の犯罪巨編。
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コメント 12

獏

実際に起った事件や事故をモチーフにした作品は
次の展開がなんとなく分かっても面白いですよね☆
by (2020-03-31 06:01) 

pn

倉田まり子だっけ?どうなったんだっけか?
by pn (2020-03-31 06:12) 

mutumin

実際の事件だとより実感を伴いながら興味をもって、楽しめますね。
by mutumin (2020-03-31 06:45) 

親知らず

ああ、そんな事件があったなぁ。
世間を騒がしていたけど、忘れてました。
殺人事件になったので忘れてしまいたかったのかも知れません。
小説の最後では人間の憎悪を解決しているの?
by 親知らず (2020-03-31 08:23) 

paulo

詐欺の話はよくあるけれど罪は軽い。だから償わせるのに殺して良いわけはないけれどそれが実話だから興味がありますね。
by paulo (2020-03-31 10:12) 

HOTCOOL

獏さん

ノンフィクションからフィクションへの転換が上手い作者です。
by HOTCOOL (2020-04-01 03:10) 

HOTCOOL

pnさん

あれは、中江某氏の投資ジャーナル事件です。
by HOTCOOL (2020-04-01 03:11) 

HOTCOOL

mutuminさん

うん、楽しめました。
by HOTCOOL (2020-04-01 03:11) 

HOTCOOL

親知らずさん

解決してませんね。
そもそも、解決できるものでは無いのかも知れません。
by HOTCOOL (2020-04-01 03:12) 

HOTCOOL

pauloさん

この事件がもとで今の振込み詐欺につながっているようです。
by HOTCOOL (2020-04-01 03:14) 

まほ

いつも思うのは、詐欺事件を起こす人は、
それだけの頭の良さを他に生かせばいいのにってことです。
でも、生かしても、
詐欺で儲けるほどは儲からないってことでしょうか?
by まほ (2020-04-04 00:20) 

HOTCOOL

まほさん

その頭の良さは人を騙して金を儲けることだけだと思いますよ。他は凡人かそれ以下・・・
by HOTCOOL (2020-04-04 05:51) 

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