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【読書日記20/21’】アクティベイター@冲方丁 [読書日記]

冲方丁著「アクティベイター」を読了。
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冲方丁の作品はベストセラー「天地明察」以来かな。けど、彼は「攻殻機動隊」のアニメや劇場版の構成、脚本も行っていたので、「攻殻機動隊」ファンとしては身近に感じてましたわ。
そんな彼がデビュー25周年を記念して発表した作品が本作「アクティベイター」。
物語は、日本上空に突如、中国の最新鋭ステルス爆撃機が飛来。女性パイロットは無線で「われ亡命を希望す」と表明し、自衛隊機の護衛のもと羽田空港に着陸します。事情聴取にやってきた警察庁の鶴来は、ヤンと名乗るパイロットから、自身は中国の空軍に所属する軍人であり、ステルス機には核爆弾が搭載されていると衝撃の事実を告げられ・・・
この設定、米露による冷戦が真っ只中の1976年に起こったベレンコ中尉亡命事件をモチーフにしているみたいで、読み始めのつかみはOKでしたね。
そして、アクティベイターと呼ばれる主人公・真丈が登場し日本、アメリカ、中国、ロシア、韓国の工作組織を巻き込んだ騒動に発展していきます。
主人公・真丈は高いスキルをもった元工作員。非常に魅力的なキャラで、また彼を取り巻く人物たちも好印象。
ただ読み進むうちに感じたのは物語全体のメリハリ、スピード感がないので若干飽きがきました。
”アクティベイト”は活性化する、活動的にするという意味の英単語らしいけど、そこらへんの説明と主人公・真丈が何故この世界に入ってきたのか、という背景の説明もなかったのが残念。
けど、国際陰謀ものとしては秀逸なので、続編があれば今後明かされていくのかと期待したいですわ。

あらすじ:標的は、日本国民1000万人――。 羽田空港に突如、中国のステルス爆撃機が飛来した。女性パイロットは告げる。「積んでいるのは核兵器だ」と。核テロなのか、あるいは宣戦布告なのか。 警察庁の鶴来(つるぎ)は爆撃機のパイロットを事情聴取しようとするが、護送中に何者かに拉致されてしまう。 囚われた彼女を助けたのは鶴来の義兄で警備員の真丈(しんじょう)だった。真丈は彼女に亡き妹の姿を重ね、逃亡に手を貸す決意をする。 核起爆の鍵を握る彼女の身柄をめぐり、中国の工作員、ロシアの暗殺者、アメリカの情報将校、韓国の追跡手が暗闘する。一方、羽田には防衛省、外務省、経産省の思惑が交錯する。 いったい誰が敵で、誰が味方なのか。なぜ核は持ち込まれたのか。 爆発すれば人類史上最大の犠牲者が――その恐怖の中、真丈と鶴来が東京中を奔走する。 『天地明察』、『十二人の死にたい子どもたち』、「マルドゥック」シリーズ等数々のヒット作を生み出した著者が、作家生活25年のすべてを込めた極上の国際テロサスペンス。 冲方丁デビュー25周年記念作品。
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