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【読書日記15/23’】エアー2.0@榎本憲男 [読書日記]

榎本憲男著「エアー2.0」を読了。
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大好きな作家・榎本憲男の作品。
彼は長らく映画界に身を置き、数々の映画のプロデュースや自ら脚本を書き監督も務めたりしていました。大ヒット作「カメラを止めるな!」の監督・上田慎一郎に「カメ止め」の脚本指導もしています。
本作もプロットがしっかりしているので、冒頭からワクワク感が湧き出します。登場人物も魅力的でしたね。
今の資本主義をぶっ壊せ!がベースにありますが、現在の日本が置かれている立ち位置や腐った政治が絶妙に描かれていて読みがいがありました。
終わり方が絶妙だったので、続編を期待したいですね。

内容:完璧な市場予測で資本主義をリセットせよ! 新国立競技場の工事現場で働く中谷は、そこで不思議な老人と出会う。老人は見るからに肉体労働には向いておらず、仕事をクビになるが、彼は大穴馬券を中谷に託していた。老人が去った直後、工事現場では爆破事件が起こり、翌日馬券は見事的中する。 多額の現金を手にした中谷の前に再び老人が姿をあらわし、彼が進める壮大な計画を手伝うよう依頼される。実は老人は感情をも計算して完璧な市場予測をはじき出す「エアー」というシステムを開発しており、高級ホテルのスイートルームでエアーを操り、瞬時に巨額の富を生み出すのだった。 老人から代理人に指名された中谷は、日本政府にエアーを提供する交渉の窓口として政治家や官僚たちと会うことになる。政府が持つ、より大きなデータをインプットすることでエアーは最強になり、市場予測は完璧なものに近づく。その力に気づいた財務省の若手官僚・福田はエアーの導入を推進するが、中谷が要求してきたのは、福島の帰還困難地域を経済自由区として、自分たちにその運営を任せよというものだった。 現代日本の難題をつまびらかにし、圧倒的なスケールで展開する、一気読み必至のネオサスペンス小説。
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