天地明察 [読書日記]
いやぁ、面白かったです。
作者・冲方丁さんの500頁におよぶ長編ですが、本を手放すのが惜しくなるほど読ませます。
さすが、昨年の本屋さんが選ぶベスト書籍”本屋大賞”を受賞するだけありますね。
普段はミステリー系ばかり読んでるんですが、時代小説に没頭して隣駅まで乗り過ごしてしまったのは初めてかもしれません(笑)
時代は江戸の初期、四代将軍家綱の頃。
主人公の渋川春海は、囲碁の名人にして城で殿様方に囲碁を教えるかたわら、算術家(今で言う数学家)、天文学、暦学(こよみ)に才能を発揮する、いわゆるマルチな人物。
その春海にあるミッションが課されます。それは、日本独自の暦を作り上げること。
江戸泰平の世の中をつくるために、武力の支配から文化へと時代を変えるひとつの礎になる事業でもある改暦。
春海の20年余にわたる奮闘、挫折、喜びそして恋、彼を取り巻く人間模様、そこで培う成長が詳細に描かれています。
特に「天」と「地」という自然界の巨頭にあくなき勝負を挑む姿勢は脱帽します。現代社会においてはコンピューターでちょちょいのチョイのところをそろばんをはじいて暦を読む。そこにはロマンも感じました。
「明察」とは算術の答えが正しかった時に使われる単語。今で言えば「はなまる!」といったところでしょうか。
最後の頁を読み終わったとき「明察」と心の中で叫んだのは僕だけではないでしょう。
2010-09-15 04:14
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コメント(6)
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江戸時代のこーゆー人達ってものすごくすごい気がします。
算盤ではじき出す計算力恐るべき、伊能忠敬なんか自分の足だし。
アナログ、侮りがたし。
by pn (2010-09-15 09:30)
pnさん
この本の主人公といい、伊能忠敬といい凄いですよね。
伊能さんの地図なんかいまの間抜けなカーナビより優れてるかもです^-^
by HOTCOOL (2010-09-15 14:10)
こんな難しそうな本読まれて尊敬です。
凄いな・・・
読みだすと面白いのが本だけど、きっかけがないと^_^;
by やまべぇ (2010-09-15 19:46)
これはおもしろそう!(^^♪
図書館にあったら借りてみま~す♪
by s_29 (2010-09-15 20:53)
やまべぇさん
尊敬だなんて・・・光栄です!
読書の秋はすぐ近く。やまべぇさんもなにかきっかけを作って読んでくださいまし^^
by HOTCOOL (2010-09-16 07:02)
s_29さん
図書館で4ヶ月待ちでした。
面白いから人気があるみたいですね。
by HOTCOOL (2010-09-16 07:03)