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【読書日記29/22’】ゲームの王国@小川哲 [読書日記]

小川哲著「ゲームの王国」を読了。
第39回日本SF大賞&第31回山本周五郎賞受賞作品。
SFというカテゴリーですが、上巻を読み進めていた感想はカンボジアの内戦とポルポトの非道により迫害をうけた少年・ムイタックと少女・ソリア、そして彼らを取り巻く大人たちの物語に思えました。
下巻になってSF感が出てきたけど、それでもHCくんが読んできたSFとは違った感覚でしたね。
上巻と下巻の切り替えがドラスティックで、かつ、著者の文章力は圧巻なので読ませますね。
ただ、何故舞台をカンボジアにしたのかは謎が残りました。
著者の小川哲は東京大学大学院卒。最新刊「地図と拳」は先日直木賞候補作に選ばれています。今度、読んでみようと思っています。

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上巻内容:サロト・サル。後にポル・ポトと呼ばれたクメール・ルージュ首魁の隠し子とされるソリヤ。貧村ロベーブレソンに生を享けた、天賦の智性を持つ神童のムイタック。皮肉な運命と偶然に導かれたふたりは、軍靴と砲声に震える1974年のカンボジア、バタンバンで出会った。秘密警察、恐怖政治、テロ、強制労働、虐殺。百万人以上の生命を奪ったすべての不条理は、少女と少年を見つめながら進行する・・・あたかもゲームのように。
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下巻内容:「君を殺す」。復讐の誓いと訣別から、半世紀。政治家となったソリヤは、理想とする〈ゲームの王国〉を実現すべく最高権力を目指す。一方のムイタックは渇望を遂げるため、脳波を用いたゲーム《チャンドゥク》の開発を進めていた。過去の物語に呪縛されながら、光ある未来を乞い願って彷徨うソリヤとムイタックが、ゲームの終わりに手にしたものとは・・・。
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