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【読書日記13/22’】テスカトリポカ@ 佐藤究 [読書日記]

佐藤究著「テスカトリポカ」を読了。
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読み始めの50頁くらいで、大好きだった作家・故船戸与一の「猛き箱舟」を彷彿させる出だしでしたが、50頁以降は失速・・・
主人公は誰にしたいのか?復讐劇ではなかったのか?とか、読んでいて疑問ばかり出てきてしまいました。様々なエピソードを一冊で表すのは無理な話で、登場人物は魅力的なキャラなので復讐劇に的を絞って欲しかったです。
けど、偉そうなこと書いていますが本作は第165回直木賞、第34回山本周五郎賞をW受賞した作品なのよね。
タイトルの「テスカトリポカ」とは、多神教のアステカ王国において信仰されていた強大な神の一人。
ナワトル語で「煙を吐く鏡」を意味し、闇を支配するとされています。毎年5月の乾季、この神をたたえる盛大な儀式がとりおこなわれ、生贄として少年の心臓が捧げられた、と伝えられています。この内容にもある通り、本作では残虐な描写も多々あります。好き嫌いが分かれる作品でもあるかもね。

内容:メキシコのカルテルに君臨した麻薬密売人のバルミロ・カサソラは、対立組織との抗争の果てにメキシコから逃走し、潜伏先のジャカルタで日本人の臓器ブローカーと出会った。二人は新たな臓器ビジネスを実現させるため日本へと向かう。川崎に生まれ育った天涯孤独の少年・土方コシモはバルミロと出会い、その才能を見出され、知らぬ間に彼らの犯罪に巻きこまれていく――。海を越えて交錯する運命の背後に、滅亡した王国〈アステカ〉の恐るべき神の影がちらつく。人間は暴力から逃れられるのか。心臓密売人の恐怖がやってくる。誰も見たことのない、圧倒的な悪夢と祝祭が、幕を開ける。第34回山本周五郎賞受賞。
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