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【読書日記19/21’】52ヘルツのクジラたち@町田そのこ [読書日記]

町田そのこ著「52ヘルツのクジラたち」を読了。
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読み終わってから、この作品が2021年本屋大賞受賞作だと知りました('_')
タイトルは、他の鯨からは聞き取れない高い周波数で鳴き、懸命に歌っても仲間に気が付かれないため「世界でもっとも孤独なクジラ」といわれている52ヘルツの鯨からとられているそうです。そういった鯨もいるんですね・・・
物語は、過去を断ち切って東京から大分の海辺の町へと移住してきた三嶋貴瑚が主人公。彼女は、移住先で13歳の少年と出会います。虐待を受けていた少年を見た貴瑚は、自身のかつての姿と少年を重ね合わせて、「聞き逃した声に対する贖罪」として少年を助け出す試みを行いますが・・・
タイトルの意味にあるとおり、声を出しても聞かれない、聞こえないという現実、かつ、児童虐待・家庭内DV・介護・トランスジェンダー・毒親・家族の不理解など、今の社会的問題も取り扱っています。
全体的に暗い感じがしますが、懸命に生きようとする主人公、少年そして彼らを取り巻く人々の心情等がよく描かれていたと思います。何より、最後に”希望”の光が刺したのはよかったわ。

内容:52ヘルツのクジラとは―他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる―。
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