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【読書日記15/21’】コロナと潜水服@奥田英朗 [読書日記]

奥田英朗著「コロナと潜水服」を読了。
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著者の奥田英朗は稀代のストーリーテラーだと思います。「最悪」「邪魔」「イン・ザ・プール」「空中ブランコ」「オリンピックの身代金」など、どの作品も読みはじめたらページをめくる指が止まりませんでしたよ。
さて、本作。タイトルだけ見ると何のことか分からないかも知れません。”コロナ”ってタイトルだけで拒絶反応がおこるかもしれませんが、本作は5作の中篇で構成された作品集となっています。
中篇なので読みやすく、かつ、どの作品もレベルが高かったですね。
個人的にはタイトル作よりも、古いイタリア車を手に入れた主人公が不思議な体験をする「パンダに乗って」が一番良かったかな。
どの作品もどこか懐かしく、ユーモア&ペーソスがあって、殺伐とした日々の中で読むと心がゆるやぎました。

内容:ある理由で家を出た小説家が、葉山の古民家に一時避難。生活を満喫するも、そこで出会ったのは(「海の家」)。早期退職の勧告に応じず、追い出し部屋に追いやられた男性が、新たに始めたこととは(「ファイトクラブ」)。人気プロ野球選手と付き合うフリー女性アナウンサー。恋愛相談に訪れた先でのアドバイスとは(「占い師」)。五歳の息子には、新型コロナウイルスが感知できる?パパがとった究極の対応策とは(「コロナと潜水服」)。ずっと欲しかった古いイタリア車を手に入れ乗り出すと、不思議なことが次々に起こって(「パンダに乗って」)。コロナ禍の世界に贈る愛と奇想の奥田マジック。
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