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【読書日記13/21’】帝国の弔砲@佐々木譲 [読書日記]

佐々木譲著「帝国の弔砲」を読了。
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佐々木譲の作品は、代表作である第二次世界大戦三部作「ベルリン飛行指令」「エトロフ発緊急電」「ストックホルムの密使」を貪り読み、また得意分野である警察小説も質が高くて傑作揃いで、どれも面白い。
さて、本作は1895年、日本人移民の子として極東ロシアに生まれ育った主人公が、ロシア帝国軍に徴兵され、第一次大戦を戦い、後に革命に翻弄される話。
そのベースには日本が日露戦争に負けたことになっている、歴史改変小説であります。だからか、読み進めるうちに違和感が生じて、第二次世界大戦三部作を読んだ時のようなワクワク、ドキドキした圧倒的なスケール感は感じませんでした。
ただし、改変とはいえこんなに骨太な歴史冒険小説を書けるのは、佐々木譲しかいないのも事実としては残りますね。

内容:なぜ彼は、工作員として日本に潜伏したのか―― ミステリの名手による新たな挑戦。圧巻のスケールの〈改変歴史冒険小説〉! ロシア沿海州に開拓農民として入植した小條夫妻の次男・登志矢は、鉄道工科学校で学び、念願の鉄道技能士となった。だが世界大戦のさなか帝国軍に徴兵されて前線へ送られ、激戦を生き延びる。そして復員すると、帝国には革命の嵐が吹き荒れ、やがて登志矢もいやおうなしに飲み込まれていく……。 日本人の両親のもとロシアで生まれ育った男がたどる数奇な運命。 悲嘆、憤怒、そして憎悪が、運命に翻弄された男を突き動かす!
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